2012/03/14

韓国の売春街、梨泰院フッカーズヒル


ソウル最後の売春街、梨泰院フッカーズヒルを行く

「外国人なら少なくとも30万ウォン(約2万2000円)だけど、10万ウォン(約7360円)でいいわ」

12日午後9時、ソウル市竜山区梨泰院。別名「フッカーズヒル」と呼ばれる通り。バー(売春宿と一体化した店)に入ると、韓国人も難なく買春交渉ができた。売春する女性を意味する「フッカー」という俗語から、この名が付いた。通りには同様のバーが立ち並び、それぞれの店ではガラス張りの扉の中に、ミニスカート姿の女性が座っていた。今ではほとんど姿を消した、ソウルの清凉里などの売春宿密集地にそっくりな光景だった。

もともとここは、米軍など外国人を相手に売春を行っていた場所で、韓国人を客に取ることはなかった。しかし最近になって米軍の出入りが途絶え、売り上げが減少したことで、状況は変わった。売春をあっせんするバーは、韓国人の客でもためらわずに入店させている。清凉里や竜山など売春宿密集地域が取り締まりによって姿を消す中、ソウルで最後の売春宿密集地域になったというわけだ。

昨年末まで、フッカーズヒルは米軍など外国人でにぎわっていた。ところが今年の初めから、米軍の憲兵が米軍関係者のフッカーズヒルへの出入りを取り締まるようになり、外国人の客足が遠のいた。そのため、バーは廃業するか、商売を一時やめざるを得ない状況に追い込まれた。

米軍の憲兵が取り締まりに乗り出したのは、昨年11月に米軍一等兵がバーに放火した事件がきっかけだった。2011年11月、京畿道城南市の米軍基地に所属する一等兵が、酒代をめぐって口論となった末、石油ストーブに油をまいて逃走するという事件が起きたのだ。この事件以降、午前3時から午前5時まで米軍の憲兵が米軍関係者の出入りを取り締まるようになり、1月以降は午後11時から取り締まりを行っている。

米軍関係者の取り締まりが強化されたフッカーズヒルでは、最近になって、うわさを聞いて訪れる韓国人の姿が増えている。今月3日、あるバーの女性従業員は「本来、外国人なら30万ウォンがミニマム(最低)だが、10万ウォン出してくれれば、お酒は飲まずすぐに売春する」と語った。案内された2階には、広さ6.6平方メートル(約2坪)ほどの部屋があった。竜山警察署は「ここ(フッカーズヒル)はもともと、米軍の憲兵が治安を維持してくれていた場所で、米軍が問題を起こさない限りは静かな町。最近になって韓国人が出入りしているという話は知らなかった」と語った。

イ・ジェジュン記者 , ユン・ドンビン記者