2013/03/10

日本人女性の存在が消されたバーゲン郡の慰安婦碑お披露目


ほったらかしにしていた話題だが、コメント欄で現地紙の記事を教えて頂いたので(量が多くなったので、追ってupする)、3月8日にニュージャージー州バーゲン郡の慰安婦碑のお披露目があった。日本の新聞にも簡単に取り上げられているので、まずは読売の記事から。ハッキリと韓国系の主導だと指摘されている。

韓国系働きかけ、また米国に慰安婦モニュメント

【ハッケンサック(米ニュージャージー州)=加藤賢治】米ニュージャージー州北部にあるバーゲン郡ハッケンサックで8日、いわゆる従軍慰安婦のモニュメント披露式が行われた。


地元の韓国系住民の団体などの働きかけで、郡当局が設置を認めた。

設置場所は郡裁判所の前庭で、郡が管理する公用地。石に埋め込まれたプレート(縦約50センチ、横約70センチ)には、旧日本軍に多くの女性が「性的奴隷を強制された」と記されている。ユダヤ人虐殺や米国の奴隷制などに関するモニュメント4点と並ぶように設置された。

同郡の人口約90万人のうち韓国系住民は約6%で、費用約5000ドル(約48万円)の大半が韓国系住民による寄付金。同郡内での慰安婦モニュメントは2か所目。

読売 2013.3.9

このバーゲン郡の碑は、日本から抗議が押し寄せたという事もあったのだろう、碑文の内容を巡って一時計画が頓挫していると報じられていたが、結局当初の文面通りになったらしい。一昨日の現地紙によると、日本からの抗議は殆ど相手にされていないという事である。

2012年11月ドノバン郡長が署名して碑の建立が決定
結局、碑文は当初の計画通りに

”日本帝国の軍隊によって性奴隷制に強制された数十万の女性”

慰安婦に捧げる碑を詠いながら、日本人女性の存在は無視されている(慰安婦の国籍として上げられているのは、朝鮮・中国・台湾・フィリピン、オランダ、インドネシア)。これは後で紹介する現地紙の記事にも見られるように、「被害者」の多くが朝鮮人だったという俗説が定着してしまっているからである。つまり、慰安婦問題は、朝鮮人の民族受難の物語にすり替えられているのである。

「女性の名誉と尊厳の問題」だと言って外国の反日団体と一緒になって騒いでいる日本人はいい面の皮である。

先月の記者会見の様子(韓国KBN)
背後に韓国系米国人市民参与センターのバナー

右後ろには、ドノバンがナヌムの家を訪問した時の写真
情に訴える戦術に日本は対抗する術がない

CCTVにも慰安婦達が楽しみにしていると語っていた(2月)

先月の記者会見で、ドノバン郡長は、日本政府を非難するものではないと念押ししていた。最近のニューヨーク州議会の決議同様、あくまでも他国の内政・外交問題に干渉するものではない(It is not against government of Japan)という建前を取るのがパターンになっている。こういった工夫で決議採択などのハードルを下げているのである。

またKACEの関係者も、議論の余地があると主張しているのは日本の極右だけで、彼らは日本国民の声を代弁しているわけではないと地元紙に語っている↓ これも政治・外交問題ではないと言いたいのだろう。

Chejin Park, a staff attorney for the group Korean American Civic Empowerment, told NJ.com earlier this year that recognizing the sexual enslavement of women during the war is hardly controversial, and that the opposition comes from a vocal minority of far-right Japanese conservatives. (KACEの弁護士Chejin・パクは、戦時中の女性の性奴隷化には議論の余地は殆どない、反対しているのは日本の極右保守派の少数意見だけだとNJ.comに語った

"They have a loud voice, but they are not representing the Japanese citizens," he said. "Only they are saying it's controversial. It's not. It's a simple historical fact." (「彼らは声は大きいが、日本の市民を代表しているわけではありません」「論争があると言っているのは彼らだけです。そんな事はありません。単純な歴史的事実なんです」と彼は言う

nj.com 2013.3.8

碑の写真を披露するドノバン郡長(3.8)

郡長は、除幕式でもナヌムの家を訪問した時の思い出を披露したというが、こうした情に訴えるやり方が一番効果的であるらしい。それを承知の上で、韓国系の運動家たちはこの戦術を多用している

式には赤旗の記者も立ち会ったらしいが、彼は、慰安婦の多数を占めた日本人女性の存在が抹殺された碑が慰安婦の事実を伝えていると思うのだろうか?

「慰安婦」伝える記念碑

米ニュージャージー州で除幕式

 【ハッケンサック(米ニュージャージー州)=山崎伸治】旧日本軍の「慰安婦」とされた数十万の女性を記憶にとどめようと、米東部ニュージャージー州バーゲン郡に記念碑が設置され、国際女性デーの8日、同郡ハッケンサック市の郡庁舎で除幕式が行われました。

 キャスリーン・ドノバン郡知事と郡議会のデービッド・ガンズ議長ら全7人の議員のほか、韓国系・中国系住民の代表ら100人余りが詰め掛けました。

 式典でドノバン知事は、昨年10月に韓国・ソウル郊外の「ナヌムの家」を訪問し、元「慰安婦」の方々から記念碑設置の快諾を受けたと紹介。2007年に米下院が採択した「慰安婦」決議の共同提案者の一人で地元選出のビル・パスクレル下院議員(民主党)は「『慰安婦』の苦難を思い起こすことで、全世界の人権を守ろうという決意がますます強くなる」と述べました。

 記念碑設置を呼び掛けた住民組織「『慰安婦』記念碑委員会」のドンチャン・キムさんは、記念碑が「人道的罪の被害者を忘れてはならないこと、人権侵害者を許してはならないことを世界に伝えるものになる」と訴えました。

 記念碑は、郡庁舎近くの裁判所前に設置。そこには米国の「奴隷制」やナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)などの犠牲者にささげた四つの記念碑があります。

赤旗 2013.3.10