2014/04/06

辛淑玉と野中広務の会話 「従軍慰安婦は差別語」


相手が野中広務だから控えめだが、「従軍慰安婦」という言葉を差別語と言うシン・スゴ(辛淑玉)は、アジア女性基金を本音ではセカンドレイプと言い切りたいところなのだろう。同じ116ページで、彼女は「日の丸は、私にとっては、ナチスドイツの国旗(ママ)ハーケンクロイツと一緒」とも言っている。猛烈なジャパンヘイターである彼女が「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク(のりこえねっと)」を立ち上げたのだから、皮肉なものである。

軍用性奴隷と国民基金

辛 もうひとつ、野中さんが自治大臣の時に手がけられたお仕事に、日本軍の軍用性奴隷にされた人たち、差別語で言うと「従軍慰安婦」の人たちに対する基金がありますね。

野中 アジア女性基金だね。

辛 はい。女性基金(「女性のためのアジア平和国民基金=Asian Women's Fund」)。あれは野中さん、どう思いますか。

野中 あの頃、政治の中には、日本が法的に従軍慰安婦に賠償するためのお金を出せる雰囲気はまったくなかったんです。お金で体を売った人がいるとか、そうでない人がいるとか、そういうことだけが先行していた。僕はそうじゃないと考えていた。

僕らが聞いてきたのは、兵隊から帰ってきた連中が自慢をたらたら言っていたこと。つまり、ベユヤ板で造ったような箱物の中に女性が一人寝かされておって、そこにふんどし一丁の男が五十人も六十人も順番待ちしている。それを聞いて罪悪感があったから、国家賠償としてやるべきだという話をしたんですよ。

だけどそんな考えはまったく通用しなかった。じゃあということで、村山首相を中心にいろいろ苦労をして政府は基金としてカネは出したんですよ。原文兵衛さん(元参議院議長)に頼んで、三木睦子さん(三木武夫元首相の夫人)やらを入れてアジア女性基金を設立したんですよ。

辛 私はああいう処理の仕方が辛かったですね、セカソドレイプじゃないけれど。

野中 これより他に方法はないのかなあと、そういう落としどころだったんだけど。