2017/03/30

日本側敗訴も、日本政府の余裕?(グレンデール)

裁判官に偏見があったから?

グレンデールの慰安婦像の撤去を求めた裁判で、アメリカ連邦最高裁は上告を棄却、日本側の敗訴が決定した。

裁判官に偏見があったというGAHTの藤井代表の主張は事実ではあるのだろうが、問題はそれが敗訴の理由だったのかである。市が公園に慰安婦像の設置を認めたのはアメリカ政府の外交権への侵害には当たらないというのがアメリカの司法の判断であり、当初から筋の悪い訴訟と批判する人々はいたのである。抑止力になったと言うのも、否定はしないが、カナダ(バーナビー)の慰安婦像が中止になったのは様々なグループの活動の賜物であり(像は、最終的にトロントにある韓国関連の施設に設置された)、その中には、いわゆる日本の右派とは必ずしも考えが一致しないグループもおり、むしろこうしたグループが重要な役割を果たした可能性がある(現地における社会的地位)。

さて、この敗訴はどういう効果をもたらすのだろう。現地の反日グループが勢いづくであろう事は想像に難くない。ただ、悲観的になり過ぎる必要もないだろう。日韓合意以降、国際社会の空気が変わった。棄却されると分かっていながら日本政府が最終段階で裁判に介入したのも、慰安婦騒動がアンダー・コントロールにあるという自信の表れではないか。菅官房長官が負けを悔しがったと受け取られるようなコメントしたのも、本来ならNGだろう。

新たな慰安婦像設置を抑止=米訴訟の意義強調-原告団体
米カリフォルニア州グレンデール市の慰安婦像撤去を求めた訴訟の原告団体「歴史の真実を求める世界連合」の藤井厳喜共同代表(64)は28日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見した。米連邦最高裁は27日、上訴を却下したが、藤井氏は「(新たな像設置への)抑止力となった」と語り、訴訟の意義を強調した。

藤井氏は「訴訟によりカナダなどでの設置を阻止した」と指摘。敗訴については「(慰安婦は)『性奴隷』とする説が広まっており、裁判官に偏見があった」と主張し、「反日的メッセージが一方的に伝わっている。今後は広報戦に力を入れたい」と述べた。

時事 2017.3.28 [2]

米慰安婦像撤去訴訟、菅義偉官房長官「極めて残念」

菅義偉官房長官は28日午前の記者会見で、米カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像撤去訴訟をめぐり、米連邦最高裁判所が原告である地元の日本人たちが提出した上告審の請願を却下し、敗訴が確定したことについて「慰安婦像設置の動きはわが国政府の立場と相いれない。極めて残念なことだ」と述べた。

菅氏は今後の対応について「さまざまな関係者に対して慰安婦問題に関するわが国政府の基本的立場や取り組みについて適切に説明し、正確な理解を求めてきている。引き続きこうした取り組みを続けていきたい」とも述べた。(以下略)

産経(一部) 2017.3.28 [2]

3 件のコメント:

  1. 政府に余裕というよりも、この裁判はもともと筋が良くなく、原告団と外務省の関係も良くなかったが、やっと最高裁への上告に日本政府が動いた。(AJCNもAmicusを出してほしいと猛烈な政府に対するロビーイングを行いました。)しかし政府は数パーセントしかない裁判のやり直しの確率を読んで期待はしていなかったのでしょう。(原告団も同じ)菅さんの記者会見の様子からはそう落胆した印象は感じられません。それよりも最も戦いの激しい米国でアトランタで積極的に動き設置を阻止したこと、日本政府が最後の最後に裁判で像の撤去に動いたこと、そしてその前に豪州人権委員会に政府意見書を提出したことの方が注目すべきでしょう。次期韓国大統領が日韓合意破棄を宣言すると見切ったうえで、国としての反撃行動をスタートさせたと考えるべきです。韓国側が慰安婦像設置を援助する法を通し、日韓合意破棄を宣言したなら、国家間の非難を控える必要はもうありません。日本政府は情報戦だけではなく国の資産(金と人材)を使って、慰安婦像設置阻止に向け動き出しているとみるのが妥当な所でしょう。

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    1. >次期韓国大統領が日韓合意破棄を宣言すると見切ったうえで

      大使引き上げなどの日本政府の強硬な姿勢は、現政権ではなく次期政権に対する牽制球だと私も思います。もっとも、次の大統領が合意を破棄する(出来る)かどうかについては、ちょっとどうかな・・・と思いますが。

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  2. 裁判というのは三権の一つに過ぎず、勝訴だけでどうかなるというものではありません。住民運動が裁判に持ち込まれて勝訴しても解決しない例はあります。裁判になることで停滞してしまう市民運動もあります。

    政治の場で勝利する手段として司法を利用すると考えるべきで過度に裁判に依存すればかえって解決が遠のきます。勝訴にしろ敗訴にしろ得たものを評価し先に進みましょう。いつの時代も決戦の場は政治です。

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