2017/08/03

日韓合意検証、河野談話検証を真似たところで・・・

TFのオ・テギュ委員長

ムン政権が日韓合意を検証すると聞いて、すぐに安倍政権による河野談話検証(2014年)を真似たかなと思った。河野談話検証は、なぜ行われたのか。リチャード・アーミテージが当時、関係者からガス抜きだと聞いたと言っていた記憶があるが、現在の韓国政府が日韓合意を破棄出来ないように、当時の日本政府にも河野談話の撤回は政治的に不可能だった。ところが、安倍政権を支持する保守層は、安倍晋三が総理になった暁には談話を撤回してくれると期待していたので、ああいう形で決着させたのだろう。

もっとも、河野談話は反日勢力に悪用されていたので、実際、談話作成の経緯を明かにするのは一定の意味もあった。就任したばかりのオ・テギュ委員長が、河野談話の検証報告書の形式や活動を参考にすると話したのでやはりと思ったが、河野談話検証を真似をしたところで、韓国政府は何を得られるのだろうか?合意の「不当性」が証明されても(やり様によって、そういう結論に持って行くのは難しくないはずだが)、韓国世論は増々おさまりがつかなくなるだけで、各国政府は、日米が韓国政府を恫喝して無理矢理合意を実現させたというのでなければ、韓国の「国民情緒」に同調はしないだろう。反対に検証の結果問題なしという結論が出たら?・・・これまた韓国世論は一層燃えたぎるだろう。安倍首相は、河野談話継承を明言したが、ムン大統領が日韓合意継承を宣言出来るとは思えない。韓国政府は更に苦しい立場に立たされることになる。検証チームも、「被害者中心の考え方」で検証に当たるなどとふざけた事を言っているから、とんだ茶番に終わりそうである。韓国メディアは、合意見直しに向け韓国政府が一歩踏み出したと喜んでいるむきが多いが・・・。

韓国政府「慰安婦TF」の検証スタート 対日関係への影響必至

韓国政府は31日に外交部長官直属のタスクフォース(TF、特別チーム)を立ち上げ、旧日本軍の慰安婦問題を巡る2015年末の韓日合意の交渉過程や合意内容などの検証に乗り出した。[...]TFの検証作業は合意と関連した韓日間協議の経過と合意内容、合意事項の履行過程について事実関係を確認することに焦点が合わせられる見通しだ。

[...]TFは膨大な外交文書の確認や合意当事者への聞き取りなどを通じ、これら疑問に対する答えを出すことになる。ただ、水面下で交渉に関わった李丙ギ(イ・ビョンギ)元青瓦台(大統領府)室長や最終決定権者の朴槿恵(パク・クネ)前大統領、尹炳世(ユン・ビョンセ)前外交部長官らは聞き取りに応じない可能性があり、限界が指摘される。

TFはこの日、「被害者中心主義」に基づき、被害者と関係者の意見を聴くと発表しており、被害者の声が合意にどれだけ反映されたかについても明らかにする方針だ。日本側に求めていた「法的責任を認めた上での賠償」が日本政府の予算からの10億円拠出に変わったいきさつも検証対象となる。

聯合ニュース日本語版(一部) 2017.7.31